ものづくり 匠の技の祭典2016(10日〜12日、東京国際フォーラム)、
全国各地100を超える団体が「暮・建・衣・食・工」の5分野に分かれ、
技術の紹介と実演・体験(一部)が3日間に渡り行われました。
5分野は、以下のような構成(会場案内より)。このなかで、100以上の団体が技を披露。
「暮」エリア
和紙/造園/表具/玩具・人形/印章/木工塗装/木工家具/椅子張り/寝具/建具/石工/楽器
「建」エリア
建築大工/左官/塗装/板金/内装/タイル/瓦葺き/ジオラマ
「衣」エリア
貴金属装身具/紳士服/洋裁/和裁/織物・染物/日本刺繍/江戸刺繍/七宝
「食」エリア
日本料理/切子/陶磁器/銀器/漆器/刃物/四条司家/多摩・島しょのお酒
「工」エリア
案内ロボット/下町ボブスレー/下町工場の匠/円谷プロダクション/伝統建築/茶室/書・江戸小紋・懐紙/千人菩薩教習楽面図
10日(木)夜には、パネルディスカッション、講演、ビジネスマッチングを兼ねた交流会に参加。
交流会で、職人の方と直に話しをすることができたので、何ができるのか自分なりに考えたりできました。
伝統技術が抱えている2つの問題
実際の話で出てきたのが「後継者問題」と「生活様式変化」です。
なり手がいないということは、深刻な問題です。
後継者がいなければ、技術を伝えていくことができません。
一方で、女性の職人が増えている分野もあるそうです。
また、生活様式の変化から全盛であったころよりも使用する機会が減ってしまった物。
硯、屏風、銀器などがそれにあたり、安い海外生産品、大量生産品が増えたことも原因です。
需要が減れば職業として目指す人が現れない、
それぞれが絡み合った問題になっていると思います。
会場は「暮・建・衣・食・工」の5ジャンルに分かれて展示
それぞれのブースで実演が行われ、技術を目で確かめられる。こちらは染物の実演
その場で購入することもできた。江戸後期から技が継承された江戸切子のグラス
高知県の特産、土佐硯の生産は昭和41年から始まったそうです。
絹糸を使い1針1針手で縫われる日本刺繍。とても根気のいる作業であることに間違いない。
『刺繍には人に内在する可能性を引き出す力があると確信しています。
例えば、優しさだったり、忍耐力だったり、継続する力であったり。
そして、美しいものを作ることを通して、心が磨かれていきます。』(日本刺繍 紅会 副会長より)
とても素敵な言葉をいただきました。
日本刺繍、フラクタル作品の一部
今後、国をあげてこういった伝統技術、匠の技を後世に伝え、
また世界へ発信していくことが重要だと感じます。
このイベントは、これまで知るきっかけのなかった人たち
子供たちへ伝える貴重な機会になると思います。