Pantone が使えない!? Illustrator バージョンアップ(v28)

Adobe FireflyがIllustratorで使える魅力的なバージョンアップ

このことを話題にしているのは自分だけかもしれない。


みなさん、もう使ってますか?
10月(2023)にバージョンアップされたIllustratorデスクトップ版(v28)。
何といっても目玉はAdobe Fireflyを使用した生成AI 機能の搭載(現状、Beta版)でしょう。

  • 「テキストからベクター生成 (Beta) を使用してベクターを作成」
  • 「モックアップ (Beta) を使用して画像にベクターアートを適用
  • Retype (Beta) を使用して画像内の静的テキストを編集」など

どれも魅力的な機能が満載。
いますぐ使いたい!いますぐバージョンアップ!と、急ぎたい気持ち。
わかります。

バージョンアップされたIllustrator(v28)の新機能の紹介
<Adobe公式>Illustrator(v28)の新機能

Pantone はどこ? カラーブックに起きた変更点

今回のバージョンアップは魅力いっぱいですが、見逃せない変更点もあることをご存知でしょうか。

それは、

カラーパレットにある
「 Pantone カラーブック」が削除されたことです。

下の3つが削除され使うことができなくなりました。

  • Pantone + CMYK コーティング
  • Pantone + CMYK コーティングなし
  • Pantone + メタリックコーティング

Adobeのその他アプリケーション( Photoshop、InDesign)も同様に削除になります。

これまでのIllustrator(v27.9)のカラーパレット
今回バージョンアップされたIllustrator(v28)のカラーパレット

個人的に便利だったのは、Illustratorで選んだPantoneをCMYKに変換したとき、
カラーチップの近似値がわかることでした。
それにより、紙に印刷したときの色の明度・彩度・トーンなんかがある程度想像つきました。

そして、以前から削除するよっていうアナウンスはあったので、それが今回実施されたということです。

Pantoneカラーライブラリーの削除は、以前から告知されていた。

Pantone をバージョンアップ後も使えるようにするには

それでは、今後IllustratorでPantoneは使えないのか!? というと、そんなことはありません。

Adobe公式のPantoneカラーブックに関するよくある質問 でも紹介されている

プラグイン「PANTONE CONNECT」を導入します。

「PANTONE CONNECT」プラグインの導入方法

「PANTONE CONNECT」、アドビエクスチェンジからインストールできる

アドビエクスチェンジから「PANTONE CONNECT」インストール後、メールアドレスで新規アカウントを作成します。

アカウント登録後、このようなパネルが表示されます。

無料版では、使い方が限定的です。

まず、「PANTONE CONNECT」内、マイパレットにカラーを保存。

保存したカラーをグラフィックに適用しますが、この時に反映されるのがCMYK値で表示されます。
Pantone カラーチップのナンバーは、Illustratorカラーパレット上には反映されません。
スウォッチ登録もできないようです。
これでも使えないことないけど、便利とは言い難い。

スムーズにAdobeアプリケーションと連携したい場合は、

Adobeアプリケーションとの連携にはサブスクリプション(有料)
契約する必要があります。

よくPantoneで色指定するユーザーは、有料会員になるしかありませんね。

下位バージョンを残しておくのもあり

Pantone が付加機能として使えるIllustratorのバージョンは27.9まで。
一時的な対応としてバージョンアップの際、このバージョンを残しておくのもありです。

アップデートをクリックした後
表示されるIllustratorの更新で「以前のバージョンを削除」のチェックを外しておきます。

ただ、こちらも永久に使えるわけではないでしょう。

最後に

今回のバージョンアップで、Pantoneをよく利用する業界・デザイナーは素直にプラグインを入れてサブスク契約した方がいいかも。

使用頻度が低いデザイナーは、よく考えてバージョンアップするか、または下位バージョンも残しつつ利用するのが良いかもしれません。