
Adobe FireflyがIllustratorで使える魅力的なバージョンアップ
このことを話題にしているのは自分だけかもしれない。
みなさん、もう使ってますか?
10月(2023)にバージョンアップされたIllustratorデスクトップ版(v28)。
何といっても目玉はAdobe Fireflyを使用した生成AI 機能の搭載(現状、Beta版)でしょう。
- 「テキストからベクター生成 (Beta) を使用してベクターを作成」
- 「モックアップ (Beta) を使用して画像にベクターアートを適用
- Retype (Beta) を使用して画像内の静的テキストを編集」など
どれも魅力的な機能が満載。
いますぐ使いたい!いますぐバージョンアップ!と、急ぎたい気持ち。
わかります。

Pantone はどこ? カラーブックにある変更点
今回のバージョンアップは魅力いっぱいですが、見逃せない変更点もあることをご存知でしょうか。
それは、
カラーパレットにある
「 Pantone カラーブック」が削除されたことです。
下の3つが削除され使うことができなくなりました。
- Pantone + CMYK コーティング
- Pantone + CMYK コーティングなし
- Pantone + メタリックコーティング
Adobeのその他アプリケーション( Photoshop、InDesign)も同様に削除になります。


個人的に便利だったのは、Illustratorで選んだPantoneをCMYKに変換したとき、
カラーチップの近似値がわかることでした。
それにより、紙に印刷したときの色の明度・彩度・トーンなんかがある程度想像つきました。
そして、以前から削除するよっていうアナウンスはあったので、それが今回実施されたということです。

それじゃ、もうIllustratorでPantoneは使えないのか!? というと、そんなことはありません。
Pantone をバージョンアップ後も使えるようにするには
PantoneをIllustrator上で見るようにするためには、
プラグインの「PANTONE CONNECT」を導入します。
プラグインとして提供されている「PANTONE CONNECT」をインストールします。

「PANTONE CONNECT」プラグインの導入方法
アドビエクスチェンジからインストール後、メールアドレスで新規アカウントを作成すると使えるようになります。

無料版では、使い方が限定的です。
まず、「PANTONE CONNECT」内、マイパレットにカラーを保存。
保存したカラーをグラフィックに適用しますが、この時に反映されるのがCMYK値で表示されます。
Pantone カラーチップのナンバーは、Illustratorカラーパレット上には反映されません。
スウォッチ登録もできないようです。
これでも使えないことないけど、便利とは言い難い。
スムーズにAdobeアプリケーションと連携したい!
Adobeアプリケーションとの連携にはサブスクリプション(有料)
契約する必要があります。
よくPantoneで色指定するユーザーは、有料会員になるしかありませんね。
下位バージョンを残しておくのもあり
Pantone が付加機能として使えるIllustratorのバージョンは27.9まで。
一時的な対応としてバージョンアップの際、このバージョンを残しておくのもありです。
アップデートをクリックした後
表示されるIllustratorの更新で「以前のバージョンを削除」のチェックを外しておきます。
ただ、こちらも永久に使えるわけではないでしょう。

最後に
今回のバージョンアップで、Pantoneをよく利用する業界・デザイナーは素直にプラグインを入れてサブスク契約した方がいいかも。
使用頻度が低いデザイナーは、よく考えてバージョンアップするか、または下位バージョンも残しつつ利用するのが良いかもしれません。