このページは、VLDの名刺の解説ページです。
制作段階から考えられた興味を持ってもらう作り。どんな反応を期待するか。
そして、私のデザインに対する想いなど、制作過程を説明しております。
ご興味のある方はお付き合いください。
また、これから名刺を制作される方や、名刺以外のデザイン制作をお考えの方の参考になればと思います。
今回は『名刺制作で考えた3+1のこと(コンセプトとデザイン)』です。
まずは、コンセプトを決めよう。
自分の名刺なので、自己ヒアリングをしながらキーワードを引き出します。
どんな名刺にしたい?
>>シンプルで洗練された印象に。できれば加工を使いたい
色は?
>>色はあまり使わず
どんな紙を使う?
>>手触りが感じられて、厚め
デザインもカッコ良くしたい
>>落ち着いた印象で、書体選びや大きさなどバランス良く
目立たせたい・インパクトあるものにしたい
>>何かしかけを入れて興味を持ってもらえるようにしたい
どんな反応を期待する
>>デザイナーらしさ、デザイナーと伝わるように
ここから、キーワードを「自分の職業が伝わる」「会話の入り口」に絞りました。
そして決定したコンセプトは『目と手で伝わる名刺』
さらに、決定したコンセプトからデザインに落とし込む要素を決めました。
キーワード1>自分の職業が伝わる3つ
キーワード2>会話の入り口になるプラスワンの遊びゴコロ興味を引かせるしかけを入れる
次に名刺のデザイン制作工程に入ります。
下記の写真は、名刺の印刷面に使われている書体を記したものです。加工面と印刷面でほぼ同じ内容。住所がないだけです。
1、情報がしっかり見やすい
ホームページでも紙媒体でも情報がしっかり見やすいことは重要です。特に紙媒体は、デザインの繊細さが表れます。
読みやすい(可読性)・見やすい(視認性)・見間違えずわかりやすい(判読性)は、
書体選び、文字の大小・アキ・バランスに気をつかわなければいけません。
◉書体の選び方
使っている書体数は多いかもしれませんが、情報のグループで使い分け、バラバラな印象を避けています。
ふつう、ゴシック系か明朝系で統一しようとか、名前は明朝で住所・電話はゴシックにとか。
そのくらいの組み合わせは考えつくと思います。
英数字:明朝系欧文書体
屋号・肩書き・名前ローマ字表記・メール・携帯
和文:ゴシック系
名前漢字・住所
英数字には欧文、漢字には和書体を使い分ける。
その理由は、英数字には欧文書体が見やすい。しかもキレイ!
和書体にも欧文は用意されています。しかし、和書体の欧文を使うと漢字と馴染んでしまうことがあるので、私は敢えて分けます。
どの情報に明朝を使うかゴシックを使うかは、お好みで構いません。
名刺の場合、住所は和書体だけでもいいでしょう。
◉文字の大きさ
名刺に入れる情報は、名前/肩書き/住所/携帯/メールだけにしました。
この時点でホームページはまだ持っていませんでした。
このうち一番重要な情報・伝えたい情報を決め、文字を大きめにする。メリハリをつけます。
最近は特に会社の電話番号よりも携帯にかかってくることが多くなっています。
私の場合、メールと携帯、次に名前です。太字にするかどうかは好みで決めてください。
◉置き方
ここも伝えたい情報の順番を意識します。肩書きよりも名前を上に、メール、電話、住所という順番です。
その他、デザインで気をつけた部分
・情報の優先度で書体を変更
・メール@の調整(70%)
・英数字の見た目の大きさ
・ハイフン、センター処理
・文字間と行間のバランス
2、自分の仕事が伝わる
肩書きで伝えるのではなく、名刺全体から自分の専門性が伝わるようにしたい。
紙は一般的(アートとか、コートとか、上質とか)でないものにして、印刷加工を施す。
名刺は、直接手渡しが基本です。紙の選択は、相手への印象に繋がると思っています。
受け取った人が、必ず感じ取っている紙の質感。私は、ここも手が抜けません。
ザラッとした引っかかりのある紙、厚くてもコシの柔らかい紙、加工に向いている紙など。
紙選びは、実際に触ってみるのがいいでしょう。似通った紙も多いので、その時は安い方を選んでください。
詳細は次回
3、印刷加工を使用する
エンボス、箔押しだと一般的すぎてあまり話題にもなりません。そこで、UV厚盛り、フロッキー、バーコーなどなど。
あまり馴染みのないもので、尚かつインパクトのある仕上がりになること。
予算として、300枚で5〜6万円くらいを目安に考えました。加工の詳細は、次回に説明します。
ここで、加工が必要か必要じゃないかの議論になると思います。
制作するモノの意図・コンセプトに合わせてどういった効果を期待するのか。しっかり目的を決めれば無駄ではないと思います。
ただ、目立つからはやめておきましょう。あとは、ご予算に合わせて適切な加工を選択。
プラスワン デザインに“しかけ”を入れる
第一弾は、何も考えず加工のインパクト重視。
第二弾は、バリードライフデザインのデザインポリシー、“デザインは、機能的・効果的・感動的であること”。を心がけました。
さらに、印刷加工で私からのメッセージを表現。ちょっとした遊びゴコロをプラス。
名刺交換をひとつのコミュニケーションの場、興味を持ってもらえるように考えて制作いたしました。
これについては、最終回「名刺に隠されたヒミツ」で解説いたします。
《VLDの名刺のヒミツ》