VLDの名刺に使われている紙と特徴、加工について説明するページです。
印刷加工の利用場面も考えてみました。名刺以外のデザイン制作をする方の参考になればと思います。
VLDの名刺のひみつ、全4回中2回目は『こだわりと気になる価格(紙と印刷加工)』です。
【 名刺制作 】印刷と加工の最適な組み合わせを考える
仕事の依頼で、私が紙を選択するとき以下のことを考えます。
- お客様の業種(業界)の一般的イメージ・印象など
- お客様のイメージ(打ち出したいイメージなど)
- お客様のお客様(受け手・生活者)には、どんなイメージを持たれているか
- 制作する媒体の対象は誰か
- 制作する媒体の種類は
- 制作する媒体の目的は何か
- 制作する媒体はお客様(受け手・生活者)にどういうルートで届くか
状況により他にもあるかもしれません。ヒアリングした内容、コンセプト、アイディア、デザイン、制作予算と合わせて考えていきます。
一般的なコートやマット紙にたどり着く場合もありますが、それでは効果的でない思うときは提案しています。
それでは本題
VLD名刺の紙と加工、価格についてご説明いたします。
1、紙質と紙厚について
まずは、紙のスペックになります。
【名称】OKフロート
【カラー】ライトグレー 紙色は最大14色(90、120kgのみ)。紙色はこちらから確認してください。
【斤量(厚さ)】210kg(この用紙の一番厚い紙) 紙の種類によって、同じ斤量でも厚さが異なります。
【特徴】
- 表面に特殊繊維を漉き込み、加熱型押し加工と相性が良い
- インクは良く吸い込む(馴染むと言ったりします)
- 加工した方がこの紙の良さが出る
- 書籍などの読み物系は不向き
- ホワイトならチラシ、パンフレットに使えそう
【メーカー】平和紙業株式会社
ホームページ>http://www.heiwapaper.co.jp/
ショップにて四つ切サイズ1枚から購入することも可能です。
この紙にした理由
加熱型押し加工と相性が抜群に良く、普通の紙には出せない不思議な風合いを表現することが可能だからです。
紙厚によっては、加工した部分が光を透過します。アイディアしだいでおもしろい効果が出せるでしょう。
2、印刷と加工について
◉加工面
加熱型押しは熱を加えながら型押しする加工です。
熱が加わった部分は、表面の繊維がなくなりツルツル。色味も変化しているのがわかります。
加工していない部分は、ザラっとした印象。そのため凸凹の文字がくっきり表現できます。
<加熱型押しとは?>
型(版)を使い、熱と圧をかけて紙を凹ませ、表面に凹凸を表現する加工のことです。裏面に影響されません。
「エンボスですか?」とよく言われますが、どちらかと言うとデボスに近く、裏面は平です。
エンボスは、凹凸版で紙をはさみ図柄や文字を浮かび上がらせる加工で裏返すと反転してしまいます。
◉印刷面
特色 DIC312。黒(スミ)1色やカラーでも良く、この辺はお好みで選んでください。
3、価格について
通常の名刺に比べ高めです!おすすめはいたしません。いろんな意味でマネしないでください(笑
印刷加工代(紙代+加工代(型代)+版代+印刷代)だけで、100枚で約¥35,000(当時)くらいになります。
※自分の名刺なのでデザイン代はかかりません。※価格は仕様により異なります。
単価が下がる目安は、500枚からになります。私は1000枚印刷しました。
名刺には高すぎますね。コストも重要です。
私は、デザイナー職としての技術・知識・アイディアを詰め込んだ営業・販促ツールと考えています。
この名刺でのメリットは良いと感じています。
4、それでも使いたいあなたのために。
それでは、こんな高いものを利用する価値があるのか。
私なりに考えた利用場面は以下になります。
- ファッションやデザイン関係の展示会DM
- ウエディングのペーパーアイテム(オリジナルアイテムを持ちたいプランナーさん向け)
- イベント告知用DMハガキ
- 書籍カバーなど
告知や認知を狙った期間限定や季節のイベント、あっと驚かせたい時、今までと変わった印象を与えたいという時におすすめです。デザイン・コンセプト・アイディアを持って制作してください。加工は、データ作りと印刷会社の加工技術により結果が異なります。
お使いになりたい方は、デザイナー・印刷会社さんにご相談ください。
《VLDの名刺のヒミツ》